みなさんこんにちは。minisatoと申します。
今回はマルチクリエイターでもありアカペラ活動などもしているアーティスト、こっちのけんとさんの大ヒット曲『はいよろこんで』をご紹介していきます!
TikTokなどで曲を知った方は、ギリギリダンスを踊ることが一番の特徴で楽しげな曲と思われるかもしれませんが、実は躁鬱などの病をテーマにした深い意味があります。
歌詞を見ただけでは理解しづらい表現も多く含まれていますが、ご本人の解説内容も加味しながらご紹介していきます!
こっちのけんとさん自身に関するプロフィールなどについては別記事にまとめていますので、気になる方はこちらをご覧ください!
『はいよろこんで』概要
『はいよろこんで』の概要を表にまとめました!
タイトル | はいよろこんで |
歌 | こっちのけんと |
発売日 | 2024年5月27日(月) |
作詞 | こっちのけんと |
作曲 | こっちのけんと、GRP |
編曲 | GRP |
こっちのけんとさんが自ら作詞作曲に携わり、歌っていることがわかりました!
MVはこちらです!
曲調について
曲調としては、キャッチーでリズミカルなため音楽に精通していなくても親しみやすい雰囲気ですね!
多くの人が聴くようになった一つの理由として、このキャッチーな曲調が挙げられると思います。
一方、冒頭にも書いた通り、曲に込められたメッセージは決して明るいものではなく、躁鬱などに苦しむ人がテーマになっています。
歌詞に込められた意味ついて
『はいよろこんで』は歌詞を文字で見ただけではわかりづらい表現が多数含まれる曲です!こっちのけんとさんご本人の解説も参考にしながら、特徴的な表現について説明していきます!
まずは、パッと見ただけでは何のことだかわからない表現や深い意味が含まれる部分の歌詞をご紹介します。
もう一歩を踏み出して 嫌なこと思い出して
鳴らせ 君の3〜6マス「・・・ーーー・・・」
ギリギリダンス ギリギリダンス(踊れ)
ギリギリダンス ギリギリダンス(もっと鳴らせ)
ギリギリダンス ギリギリダンス(踊れ)
ギリギリダンス ギリギリダンス(もっと鳴らせ)
『はいよころんで』歌詞より引用
3〜6マスとは?
単に”3〜6マス”と書かれても、何のマス目なのか知らない人にはさっぱりわかりませんね。この表現、実は心電図を表しています!
心電図では、心拍の正常値が3〜6マス(=50〜100bpm)と言われていることから、体が正常な状態であることを表現しているようです。
「・・・ーーー・・・」はモールス信号?
“「・・・ーーー・・・」”(読み方はトントントンツーツーツートントントン)という表現については、こっちのけんとさんご本人の解説からモールス信号であることがわかりました!意味は「SOS」となります!
ちなみに、曲を聴くと”「・・・ーーー・・・」”と次の”ギリギリダンス”が重なっており、最後の「・」(トン)がかき消された状態になっているため、モールス信号では「SOI」に聴こえます。
この表現については、単に歌えないから省略しているのではないか?という考えや、SOSを出せないという意味であえて言っていないという考えなど憶測が広がっています。
こっちのけんとさんご本人の解説を聞くと、SOSを出している(言っている)が相手に伝わっていない(ギリギリダンスにかき消されている)という表現になっているとのことで、よく聴くと確かに最後の「・」も言っていることがわかります!
ギリギリダンスに隠された意味
“ギリギリダンス”という言葉について、表記上は”ギリギリダンス”ですが実際に曲を聴くと”ス”を発音していませんね。
この理由についてもこっちのけんとさんご本人が解説しております!
初期の構想では「Get it down」(肩の荷をおろせ)という表記だったとのことですが、曲作りを進めていく中で「Get it done」(やり遂げろ)と言うことに決めたそうです。
表記上”ギリギリダンス”にした理由についてこっちのけんとさんは明確に解説していませんが、私の見解としては、よりキャッチーで覚えやすい言葉であり、リスナーがイメージしやすく伝わりやすいという理由があるのではないでしょうか。
ギリギリというのは先ほどの”3〜6マス”(心拍の正常値)をはみ出す手前でとどまってほしい!という意味が含まれるのではないでしょうか。
また、”鳴らせ”、”ダンス”、”踊れ”といった表現は自分の思いを相手に伝えることが必要だというメッセージなのではないかと考えられます。
これらを知ってから曲を聴くと、更に曲の深みが出てきて何度も繰り返し聴きたくなりますね!
こっちのけんとさんご本人による解説動画はこちらです!本記事でご紹介したのは特徴的なものに絞ったほんの一部ですので、『はいよろこんで』について更に詳しく知りたい方やご本人の声を聞きたい方は是非ご覧ください!
MVによる表現
MVから私が感じたメッセージ
MV制作は、かねひさ和哉さんです。昭和のアニメのようなイラストが印象的なMVですね!
令和の時代にあえて昭和のアニメのようなMVに仕上げたことには深い理由がありそうですね。
こちらもこっちのけんとさんご本人の解説の中で語られており、日曜日の夕方に放送される「サザエさん」をイメージしたMVであることがわかりました!
「サザエさん」にちなんだ有名な言葉として「サザエさん症候群」があります。日曜日の夕方を象徴する番組であり、「明日から平日になり仕事漬けの日々が始まる」といった憂鬱な気持ちを表す言葉ですね。
また、個人的には、昭和らしいMVということで、昭和のサラリーマンの働き方を意識したものになっているのではないか?とも感じました。
『はいよろこんで』の冒頭の歌詞は次の通りです。
『はい 喜んで』
『あなた方のため』
『はい 謹んで』
『あなた方のために』
『はいよろこんで』歌詞より抜粋
MVと歌詞を照らし合わせてみて私が感じたのは、「働くことが正義」「相手(顧客や上司?)を重んじることが一番大切」といった一見正論にしか見えない考え方に苦しむ人を表現しているのではないか?ということでした。
もちろん、相手を思いやる気持ちは大切なことであり、これが欠けていてわがままばかりでは上手くいかないことも多々あると思います。一方、何もかも相手最優先では、振り回され、自分を見失ってしまいます。
相手を思いやる気持ちと同じかそれ以上に自分の気持ちに正直になることも大切なのだ、ということを考えさせてくれる曲であり、MVだなと感じられ、私もつい何度も繰り返し見てしまいます。
こっちのけんとからのメッセージ
タイトルが『はいよろこんで』でキャッチーな楽曲とコミカルなダンスであり、一見明るく前向きな曲なのかな?と思いますが、こっちのけんとさんからのメッセージは決して明るく楽しいものではありません。
こっちのけんとさんからのメッセージを読むと、”うつ病”や”躁鬱”といった病と”優しさ”、”我慢”の境界がわからなくなってしまう現実がテーマとなっています。
たしかに、私が知っているうつ病またはそれに近い症状がある人は真面目で優しい人という印象があり、考えさせられます。
自分が好きなこと、嫌なことを理解して、嫌なことは嫌だと周りに伝えること、自分がわがままでいられる空間を作ることが必要ではないかと訴えています。
また、次の歌詞も印象的です。
救われたのは僕のうちの1人で
『はいよろこんで』歌詞より抜粋
こっちのけんとさんが、嫌なことをしている自分、好きなことをしている自分などを別の人間として捉えているからこそ生まれた表現だと感じられます。
まとめ
本記事では、こっちのけんとさんの大ヒット曲『はいよろこんで』の魅力、解釈などをご紹介しました!
- こっちのけんとさんが自ら作詞、作曲にも携わっている
- キャッチーな曲調である反面、テーマは躁鬱である
- 3〜6マスは心電図で心拍の正常値を意味する
- 「・・・ーーー・・・」はモールス信号で「SOS」を意味する
- ギリギリダンスという言葉にはGet it done(やり遂げろ)という隠れた意味がある
- MVは「サザエさん症候群」を意識して作られている
ということがわかりましたね!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
コメント