みなさんこんにちは。minisatoと申します。
2024年8月28日に伊藤園お〜いお茶杯王位戦の第五局にて藤井聡太王位が渡辺明九段に勝利したことで4勝1敗となり王位を防衛しました。
これで藤井聡太王位は5期連続の王位保持となり、永世王位の称号を獲得することが決まりました!
藤井聡太竜王、名人は2024年7月に永世棋聖の称号も獲得しており、永世二冠獲得の最年少記録を更新しました!
これらの話題を受け、永世称号って何?と疑問に思う方も多いと思いますので、わかりやすく解説したいと思います。
女流棋士に適用される称号についてもご紹介します!
永世称号とは何か
将棋のプロ棋士界においては、2024年現在8つのタイトル戦が存在し、それぞれのタイトルを制した者に称号が与えられます。
具体的な称号は、竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖の8つとなります。
2023年10月11日の王座戦にて藤井聡太竜王、名人が永瀬拓矢王座から王座を奪取し史上初の八冠制覇を達成し話題になりましたね!
これらの称号を連続、または通算で複数獲得し次に示す条件を満たした場合に永世◯◯という称号を獲得することができます(王座のみ、名誉王座と呼ばれるようです)。
永世称号の獲得条件
タイトルごとに永世称号獲得の条件が異なりますので、一覧表にまとめました!
称号 | 条件 |
---|---|
永世竜王 | 連続5期もしくは通算7期保持 |
永世名人 | 通算5期保持 |
永世王位 | 連続5期もしくは通算10期保持 |
永世叡王 | 通算5期保持 |
永世王座 | 連続5期もしくは通算10期保持 |
永世棋王 | 連続5期 |
永世王将 | 通算10期保持 |
永世棋聖 | 通算5期保持 |
いずれも最低で5期の獲得が必要となっており、永世称号を獲得するには長年に渡りトップ棋士であり続けることが必要とわかります。
特に連続5期しか認められていない永世棋王や通算10期保持が必要な永世王将は条件が厳しいですね!
そんな獲得の難しい称号のうち二つ(永世王位、永世棋聖)を22歳1ヶ月にして獲得した藤井聡太竜王、名人は本当にすごいですね!
歴代の永世称号獲得者
先ほどの説明の通り永世称号は獲得条件が厳しいことから、歴代の獲得者も数えられるほどしかいません。
称号 | 該当棋士(敬称略) |
---|---|
永世竜王 | 渡辺明、羽生善治 |
永世名人 | (故)木村義雄、(故)大山康晴、 中原誠、谷川浩司、 森内俊之、羽生善治 |
永世王位 | (故)大山康晴、中原誠、 羽生善治、藤井聡太 |
永世叡王 | なし |
名誉王座 | 中原誠、羽生善治 |
永世棋王 | 羽生善治、渡辺明 |
永世王将 | (故)大山康晴、羽生善治 |
永世棋聖 | (故)大山康晴、中原誠、 (故)米長邦雄、羽生善治、 佐藤康光、藤井聡太 |
複数の永世称号を持つのは(故)大山康晴、中原誠、羽生善治、渡辺明、藤井聡太(敬称略)の5名しかいません。中でも羽生善治九段は2017年に永世竜王を獲得したことで当時獲得可能出会った七冠全てを制覇しており、改めて羽生善治九段の圧倒的な棋力を感じられます。
叡王戦は2017年にタイトル戦に昇格したばかりで歴史が浅いことから、2024年現在、永世叡王の獲得者はいません。誰が初の永世叡王を獲得するのか、注目ですね!
女流棋士にはクイーン称号がある
女流棋士の世界にも2024年現在8つのタイトル戦があり、プロ棋士同様にタイトルを制した者に称号が与えられます。
これらの称号を連続、または通算で複数獲得し次に示す条件を満たした場合にクイーン◯◯という称号を獲得することができます(女王のみ永世女王と呼ばれるようです)。
クイーン称号の獲得条件
タイトルごとにクイーン称号獲得の条件が異なりますので、一覧表にまとめました!
称号 | 条件 |
---|---|
クイーン白玲 | 通算5期保持 |
クイーン清麗 | 通算5期保持 |
永世女王 | 連続5期もしくは通算7期保持 |
クイーン王座 | 通算5期保持 |
クイーン名人 | 通算5期保持 |
クイーン王位 | 通算5期保持 |
クイーン倉敷藤花 | 通算5期保持 |
クイーン王将 | 通算5期保持 |
ほとんどのタイトルの条件が通算5期となっており、永世女王のみが連続5期または通算7期とハードルが高くなっています。
歴代のクイーン称号獲得者
クイーン称号についても獲得条件が厳しいことから、歴代の獲得者も数えられるほどしかいません。
称号 | 該当女流棋士(敬称略) |
---|---|
クイーン白玲 | なし |
クイーン清麗 | 福間香奈 |
永世女王 | 西山朋佳 |
クイーン王座 | 福間香奈 |
クイーン名人 | 中井広恵、清水市代、福間香奈 |
クイーン王位 | 清水市代、福間香奈 |
クイーン倉敷藤花 | 清水市代、福間香奈 |
クイーン王将 | 林葉直子※、清水市代、福間香奈 |
※林場直子さんは1991年にクイーン王将称号を獲得しましたが、その後日本将棋連盟を退会したため資格を失ったとのことです。
表について補足です。福間香奈女流五冠については、里見香奈の名前で獲得したものも福間姓に書き直していることをご了承下さい。
複数のクイーン称号を持つのは清水市代、福間香奈(敬称略)の2名しかおらず、2009年頃を堺にこの2名が女流棋士界を牽引してきたことがよくわかります。
今年(2024年)プロ棋士編入試験に挑戦する西山朋佳女流三冠でさえも現時点で獲得したクイーン称号は永世女王のみです。
2021年に創設されたばかりの白玲戦で初めてクイーン称号を獲得するのが誰になるかも注目ですね!
まとめ
本記事では、プロ棋士、女流棋士界における永世称号、クイーン称号についてまとめました。
- 永世称号は最低でも通算5期、永世王将については通算10期のタイトル獲得が必要
- 複数の永世称号獲得者はこれまでに5名しかいない
- クイーン称号は永世女王のみ連続5期または通算7期、その他タイトル戦では通算5期のタイトル獲得が必要
- 複数のクイーン称号獲得者はこれまで2名しかいない
- プロ棋士の叡王戦、女流棋士の白玲戦は歴史が浅く、永世、クイーン称号獲得者なし
ということがわかりましたね!
本記事で永世、クイーン称号に関する理解を深め、みなさんにプロの将棋の観戦をより楽しんで頂けますと幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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