みなさんこんにちは。minisatoと申します。
観る将の方はもちろん、将棋をあまり知らない方でも将棋界ではAIの活用が進んでいることをご存知の方も多いのではないでしょうか?
プロ棋士、女流棋士の対局をテレビやAbema等で観戦する時、将棋AIによる評価値や候補手を確認しながら観るのも今となっては当たり前の光景になりましたね!
一方、将棋AIを使用するためにはは高性能なPCとソフトを購入しなければならず、一般人の使用にはとてもハードルが高いイメージがあるのではないでしょうか?
そんな中、HEROZが提供している棋神アナリティクスというサービスでは、なんとスマホで手軽に将棋AIが使えます!
この記事では棋神アナリティクスについて詳しく解説していきますので、棋譜を振り返って棋力を向上したい!手軽に使える将棋AIはないの?と探している方は是非チェックしてみてください!
将棋AIとは?解析手法による違いは?
そもそも将棋AIって何?
将棋AIとは、AI技術を活用して人間のプレーヤーと将棋の対局をしたり、ある局面を入力することで先手、後手の優劣を数値で評価したり、次に指すべき候補手を示してくれるシステム、アルゴリズムです。
近年では、プロ棋士や女流棋士の対局を中継する際に画面に将棋AIによる評価値と候補手が写されている光景が当たり前になってきており、プロ棋士がAIの示す最善手を指すのか、違う選択をするのかといった視点で観戦を楽しむ視聴者も多いのではないでしょうか。
将棋以外にも、チェスや囲碁の世界でも同様のAIが開発され、使われているようです。
解析手法による違い
一言で将棋AIと言っても解析手法は様々であり、2024年現在の主流と言える解析手法について簡単にまとめておきます。
従来の主流「αβ法」
αβ探索を用いた解析方法であり、今の局面から数手先まで仮想的に指し、その局面が勝ちやすいか負けやすいかを評価することで次に指すべき手を決める方法です。
局面の勝ちやすさを決める評価関数というものが重要であり、最新のAIでは評価関数も機械学習により決定しているようです。
評価関数の具体的な決め方については、おそらく企業秘密も含まれており公開されないと思われますが、一般的(人間的)には将棋の形勢判断をする際の指標となる以下の4つと言われており、これらに近いものが評価関数に関係あるのではないかとと推測されます。
- 駒の損得
- 駒(特に大駒)の働き
- 玉の堅さ
- 手番
2020年頃から注目を集めている「ディープラーニング法」
畳み込みニュートラルネットワークに将棋の盤面を画像として入力し、出力としてどの指し手がよいか?の確率を出す手法です。これだけだと終盤が苦手になってしまうことから、モンテカルロ木探索という手法も組み合わせているとのことです。
HEROZってどんな会社?
HEROZは2009年に設立された会社であり、将棋に関する主力サービスは2012年にリリースされた将棋アプリ「将棋ウォーズ」です。2018年に東証マザーズに上場、2019年には東証一部に市場変更しています。2022年4月の区分変更に伴い、スタンダード市場となりました。
2013年にはHEROZのエンジニアが作った将棋AIである「Ponanza」が初めてプロ棋士に勝利し、2017年頃にはトップ棋士にも勝てるようになったとのことです!
将棋アプリ「将棋ウォーズ」の中でもAI技術が活用されており、対局中にAIの力を借りることのできる「棋神降臨」機能や、対局後の振り返りでAI解析により評価値や候補手を示してくれる「棋神解析」などを使うことが出来ます!
将棋ウォーズについて詳しくは別記事にまとめていますので、気になる方はこちらをご覧ください!
このようにHEROZは将棋AIのスペシャリストと言える会社であり、棋神アナリティクスにおいても高性能な将棋AIが使えるのではないか?と期待が高まりますね!
棋神アナリティクスの特長
高度な将棋AIソフトを導入するとなると、ハイスペック・高価格なPCを使う必要があること、導入作業は開発者でさえ簡単ではないこと、開発スピードが著しく頻繁に更新作業が必要なことなどが課題でした。
そこで、もっと手軽に将棋AIを使える環境を実現出来ないか?と考えリリースに至ったのが棋神アナリティクスになります!
特長としては下記の通りです。
- Webブラウザからアクセスするだけで利用可能
- ハードウェア、ソフトウェアは自動更新される
- スマートファンにも対応
- HEROZの計算環境で強化学習済みの最新版dlshogiを使える
- 将棋ウォーズの棋譜は棋神アナリティクスに連動可能
将棋ウォーズの棋譜画面で下記の写真の右上に赤丸で囲った「AI」と書かれたアイコンを押すだけで棋神アナリティクスに飛ぶことができます!
なんと、簡単な解析は完全無料、ログイン無しでも利用可能です!
利用可能な将棋AIは?
棋神アナリティクスにて利用可能な将棋AIソフトは下記の2種類になります!いずれも将棋AIの中でもトップクラスの強さを誇るものになります!
ディープラーニング法の「dlshogi」
2020年11月の電竜戦にてdlshogiを用いたソフトである「GCT」が優勝しています。ディープラーニング系のソフトの優勝は初めてだったとのことで、ディープラーニング系将棋AIの先駆者と言えます!
αβ法の「水匠」
水匠は「世界コンピュータ将棋オンライン大会(2020年)」「第3回世界将棋AI電竜戦(2022年)」といった将棋AIの世界大会で優勝したモデルであり、プロ棋士にも多数採用されています。
「やねうら王」というオープンソース将棋AIの一部を利用しているようです。
棋神アナリティクスの料金プラン
2024年9月現在用意されている棋神アナリティクスの料金プランは下記の通りとなります。(金額は全て税込)
フリープラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
---|---|---|---|
料金 | 無料 | 1,100円/月 | 11,000円/月 |
AI解析 | 1時間のライトプラン 無料体験 ※ (会員登録後30日以内) | 10時間/月 無料 超過後2円/分 | 10時間/月 無料 超過後20円/分 |
解析エンジン | 水匠:1vCPU ※ | 水匠:1vCPU | dlshogi: 8vCPU・ NVIDIA A10 GPU 水匠: 8vCPU |
棋譜のクラウド 保存・参照 | △(100局まで) | ◯ | ◯ |
棋譜ファイルを開く | ◯ | ◯ | ◯ |
棋譜の再生・編集 | ◯ | ◯ | ◯ |
※無料体験終了後は、1日の回数制限付きで過去バージョンの水匠の解析が可能
体験してみたい方向けに無料で使えるフリープランもありますが、期間限定の使用しか出来ないため、長きに渡り研究したい方は有料プランに加入する必要があります!
dlshogiを利用したり、スペックの高い水匠したりしたい場合はスタンダードプランへの加入が必要になります。
棋神アナリティクスを始めたい!もっと詳しく知りたい!という方はHEROZの公式サイトがありますのでこちらをご覧ください!
まとめ
今回はHEROZが提供する将棋AIサービスである棋神アナリティクスについて解説しました!
- 将棋AIには主にαβ法、ディープラーニング法の2種類がある。
- HEROZは東証のスタンダード市場に上場している会社で、将棋関係では将棋ウォーズをリリース。
- 棋神アナリティクスはスマホでも高性能な将棋AIによる解析が可能で、無料体験できるフリープランも存在する。
- 将棋ウォーズとの連動機能あり。
ということがわかりましたね!
スタンダードプランとなると11,000円/月と加入するには少し勇気のいる金額ですが、ライトプランであれば1,100円/月と比較的手軽に利用できます。
棋譜を振り返って棋力を上げたい!という方はまずはライトプランから加入を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、将棋ウォーズアプリには、「棋神ラーニング」という棋力向上につながるサービスもあります。詳しくは別記事で解説していますので、こちらをご覧ください!
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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